サイコよりサイコパス的なヒッチコックの断崖

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1941年に公開されたこのヒッチコックの断崖。もちろん白黒映画ですが、第二次世界大戦が起こる前にこんな映画が作られていたとは、なんとなくカルチャーショックです。

内容は全く知らず、映画の序盤ケリー・グラント演じる英国人のプレイボーイ”ジョニー”が列車の中で将軍の娘であるヒロインのリナをナンパするところから始まります。頑なな性格の彼女ははじめ彼の図々しい性格を嫌いますが、自分が結婚しないでいることが両親の悩みの種になっていることを偶然耳にしてしまった彼女は、それを唯一解決してくれることのできるジョニーに思いを寄せるようになりますが彼は音信不通に。

そんなおり、父が主催する舞踏会に彼が再び姿を現すことを知ったリナはそれまで頭が痛いから自宅にいると言っていましたが頭痛も吹っ飛んで彼のもとへいくのでした。

それからはもう成り行きで彼らは結ばれ、周囲の反対も耳に入らず新婚旅行を終えてロンドンに新居を構えます。立派な豪邸にお手伝いさんが一人、何不自由ない暮らしにふと彼女は不安を覚えます。

ジョニー、お金は大丈夫なの!?と彼女が口にすると彼は「君のお父さんから少し借りることはできないかな?」という始末。彼女が働いてお金を稼ぎなさいと促すとようやく彼は重い腰をあげるかのように、「いとこから不動産の仕事を手伝わないかという話があるんだ」と言って彼女を安心させるのでした。

しかししばらくすると彼が昼間から競馬場にいたという噂を聞いたり、急に豪華なネックレスやコートをプレゼントだと買ってきたり、彼女が結婚祝いにもらった愛用の椅子を売ってしまったりと彼は無軌道な行動ばかりとるのですがそんな彼を彼女はいつも最後には許してしまうのでした。

しかし次第にそんな彼も自分のしたことによって追い詰められていき、終いには、、、と観ているこっちが痛くなるようなヒッチコックならではの展開なのですが、リナを演じるジョーン・フォンテインの美しさ、というか切なさはなかなか秀逸で、彼女はこの映画でオスカーの主演女優賞を取っているとのことです。